「補聴器で言葉がはっきり聞こえる」は間違い?補聴器の本来の役割

公開日:2024/02/15  最終更新日:2024/01/12

驚く老人

補聴器は、小さな音を増幅させる装置ではありません。普通の音量の会話を鮮明にするのが本来の役割なので理解しておきましょう。難聴者は外耳道や鼓膜など、どこかしらに異常があるため、まずは専門医に相談し診察や聴力検査を受けることが大切です。そこで本記事では、補聴器の役割や仕組みについて解説します。

語音聴力と純音聴力

聴力検査にはいくつもの種類があります。補聴器が必要かどうか判断するうえで重要な検査である、純音聴力検査と語音聴力検査について解説します。

そもそも音が聞こえる仕組みとは

外部からの音は、空気の振動を通して耳に伝わります。振動は耳に届いたあと、外耳道をとおり鼓膜へと伝えられます。

音を正常に聴くためには、音が入る通り道である外耳道や音を伝える鼓膜、音の振動を電気信号に変える蝸牛、電気信号を脳へと伝える聴神経などすべてに異常がないことが条件です。

そのため、難聴者はどこかに異常をきたしていることになるため複数の検査を受けることになります。また異常が起こっている場所によって治療方法が変わります。

純音聴力検査とは

純音聴力検査は、学校や会社の健康診断でよく用いられている検査方法です。ヘッドホンを両耳に当て、125~8,000Hzまでの異なる音を流します。片耳ずつ複数の音を流すため難聴の程度がはっきり分かります。

少し聴こえが悪い人は軽度難聴、ほとんど聴こえない人は高度難聴と診断されるのが特徴です。

語音聴力検査とは

語音聴力検査は、2~7の数字を用いて、どの程度の小さな音を聞き取れるのか測定する検査のことです。ヘッドホンを両耳に当てた状態で聞こえてきた数字を用紙に記入します。

大きな音から小さな音へと音量を順番に下げていくので、どの程度の音まで聞き取れるかを測定できるといった仕組みです。また数字を用いるのではなく「あ」や「う」といった語音リストを使って正答率を調べることもあります。

補聴器本来の役割とは

補聴器の役割と仕組みについて解説します。

補聴器の役割

補聴器には、普通の大きさの音を鮮明にする役割があります。そのため、遠くからの声や小さな音を増幅させる機能は備わっていません。

また、鼓膜や外耳道の状態にあわせて補聴器を選び、調整する必要があるため難聴の状態を正しく理解することが重要です。補聴器の種類は、軽度の難聴用のものから重度用の補聴器までさまざまです。

また、大勢の人がいる場所で利用したいのであれば、高機能な補聴器が必要なため割高になります。しかし、家庭用として使うのであれば低価格のもので十分効果を得られるでしょう。

補聴器の仕組みと機能

補聴器の仕組みは音がマイクに入り、その音を電気信号に変換することから始まります。マイクに入った音がアンプによって増幅され、内蔵されているコンピューターによって電気信号へと変換されるといった仕組みです。

このときに音の強弱をつけたり、不要な雑音を除去したりもしてくれます。その後は、レシーバーと呼ばれる装置によって鼓膜へと伝達され使用者の耳に届きます。補聴器には、会話音の強調や雑音を抑制する効果、音をなめらかにする機能があるのが特徴です。

補聴器にできることを必ず確認して購入しよう

補聴器購入の流れと費用負担を軽減する制度をご紹介します。

ステップ1 医師に相談

補聴器をいきなり購入するのではなく、まずは耳鼻咽喉科医に相談してください。医師による診察やいくつもの聴力検査をすることで難聴の状態を正確に把握できます。

難聴の状態によっては、治療で改善できるので補聴器が必要ないと診断されることもあるでしょう。

ステップ2 補聴器販売店に行く

医師に補聴器を買うようすすめられたら補聴器販売店に行き、カウンセリングを受けてください。医師から受けた助言をもとに受け答えすると補聴器選びがスムーズです。

また補聴器には、耳かけ型、耳あな型、ポケット型の3種類があります。機能性やデザイン性など、補聴器によって違いがあるためスタッフに相談しながら決めてください。

耳の後ろに隠れる小型タイプや、耳あなの大きさにフィットするタイプなどさまざまです。補聴器の充電時間や連続動作時間なども違うため特徴を理解したうえで選びましょう。

ステップ3 補聴器の調整

補聴器を選んだら、実際に装用し感覚を確かめましょう。会話が問題なく聞き取れるか、音量は小さすぎたり、大きすぎたりしないか確認してください。少しでも違和感がある場合はスタッフに伝え、再調整してもらうことで自分にピッタリな補聴器に仕上がります。

補聴器には公的補助制度がある

補聴器の購入費用を一部負担してくれる制度があるため、活用してください。補装具費支給制度を利用することで自己負担額が1割で済みます。

補装具とは、障害者が失った機能を補うための用具を指す言葉です。重度もしくは高度の難聴だと診断された場合に利用できるので、申請手続きしてください。

まとめ

本記事では、補聴器の役割や仕組みについて解説してきました。補聴器は、日常生活における普通の音量の会話を鮮明にする役割があります。そのため、小さな音や遠くの音を増幅させる効果はありません。補聴器に備わっているアンプやレシーバーをとおして音をなめらかにしたり、雑音を低減させたりしています。また補聴器を購入する前には、診察や検査を受けてください。難聴の状態によっては治療で改善するので補聴器が不要なこともあります。専門医や補聴器販売店のスタッフと相談しながら最適な補聴器を見つけてください。

 

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