骨伝導補聴器のメリットは?仕組みとともに解説!
骨伝導補聴器は進化した技術で、耳をふさがずに音を伝え、感音性難聴にも効果的です。この記事では、骨伝導補聴器の仕組みを解説し、そのメリットを紹介します。その一方で、注意すべきデメリットもあるので、ぜひご一読ください。骨伝導補聴器のメリット・デメリットを知り、選び方のポイントを探りましょう。
骨伝導とは?難聴のタイプによっては骨伝導補聴器が有用
骨伝導とは、音を伝える手段のひとつであり、これを補完するデバイスとして骨伝導補聴器が存在します。通常、私たちは気導音(空気を通して伝わる音)によって音を聴きますが、骨伝導では骨を通して音が伝わります。
耳の仕組み
耳の仕組みを理解することで、骨伝導補聴器の有用性が明らかになります。耳は外耳、中耳、内耳、聴神経の4つの部分から構成され、音はこれらを経て脳に伝わります。骨伝導補聴器は、主に外耳から中耳にかけての伝音性難聴に対して効果を発揮します。
難聴のタイプ
難聴には伝音性難聴、感音性難聴、混合性難聴の3つのタイプがあります。伝音性難聴は外耳から中耳にかけての問題がある場合で、このケースにおいて骨伝導補聴器は適しています。
しかし、感音性難聴や混合性難聴では内耳や聴神経に問題があり、骨伝導補聴器の利用が難しいことがあります。
骨伝導補聴器がおすすめ
骨伝導補聴器は、骨を通して音を伝えるため、伝音性難聴の患者にとって有益です。これにより、外部の音が直接内耳に伝わり、通常の補聴器よりもクリアで明瞭な音が得られることがあります。
ただし、利用者の難聴の種類によっては、ほかの補聴デバイスがより適している場合もあります。
骨伝導補聴器の仕組みとは
骨伝導補聴器は、従来の補聴器とは異なる仕組みを活用して、聴覚障害者が音を聞くための効果的な手段となっています。この補聴器がどのように機能するかを理解することで、そのメリットがより明確になるでしょう。
骨伝導音の利用
通常の補聴器が気導音を利用するのに対し、骨伝導補聴器は骨伝導音と呼ばれる方式を採用しています。これは、音の振動が頭蓋骨を通り、内耳に直接伝わる革新的なアプローチです。
外部の音は振動板と呼ばれるデバイスで振動に変換され、それが頭蓋骨を通じて内耳に伝わります。
内耳での信号変換
振動が内耳の蝸牛に到達すると、これは電気信号に変換されます。その後、聴神経を介して脳に伝えられ、音として認識されます。このプロセスにより、外耳や中耳に問題がある伝音性難聴に対して、効果的に音を伝えることが可能です。
とくに有用な状況
骨伝導補聴器は外耳の形状に問題がある場合や、小耳症や先天的な異常を抱えた患者にとってとくに有用です。そのため、従来の補聴器では対処が難しい状況において、骨伝導補聴器は画期的な補助手段となっています。
骨伝導補聴器を使用するメリット・デメリット
骨伝導補聴器は、伝音性難聴の方にとくに適している補聴器のひとつですが、その使用にはいくつかのメリットとデメリットがあります。
骨伝導補聴器を使用するメリット
骨伝導補聴器は、外耳・中耳を使わずに骨を振動させて音を伝えるため、耳をふさぐことがありません。これにより、かゆみやかぶれといった炎症を予防し、快適な装着感を実現します。
また、通常の補聴器では自分の声が耳に響くことがありますが、骨伝導補聴器は骨を介して音を伝えるため、自分の声の響きが少なく、自然な会話が可能です。さらに、メガネ型や埋め込み型など、さまざまなデザインがあり、外見上目立たない特徴があります。これにより、他人の目を気にせずに日常生活を送れます。
骨伝導補聴器を使用するデメリット
骨伝導補聴器は、伝音性難聴に効果を発揮しますが、感音性難聴や混合性難聴には対応できません。感音性難聴の方はほかの補聴器を検討する必要があります。また、初期の難聴に対しては有効ですが、高度な難聴や重度の場合には効果が限定的です。
難聴の進行が著しい場合、他の選択肢を検討することが必要です。さらに、骨伝導補聴器の振動板は適切な位置に保持する必要があり、位置がずれると音が聞こえにくくなります。一方で、適切な位置を維持するためには頭部をしっかりと締め付ける必要があり、これが使用者にとって調整の難しさと痛みをもたらす場合があります。
まとめ
ここまで、骨伝導補聴器について解説しました。骨伝導補聴器のメリットは、耳をふさがず自然な装着感、自分の声が響かない快適さ、外見の目立たなさが挙げられます。感音性難聴に効果的で、炎症のリスクも低減できるのもメリットです。しかし、高度な難聴には限定的で、位置の調整が難しいのがデメリットです。難聴のタイプや進行度を考慮し、専門家のアドバイスを受けながら選択をすることが重要です。骨伝導補聴器は、難聴者に柔軟性と自然な聴力補助を提供してくれます。骨伝導補聴器の購入を検討している人は、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。